Workers K&T H MFG Co "Officer Trosuers, Slim, Type 1, USMC Khaki"
22SS はType1、脇割バージョンのSlim Fit。Type 1 仕様でこだわりは、脇始末。縫い代がきれいに隠れるよう、通称「マタギ」と呼ぶ作り。お手持ちがあればぜひご確認ください。
SlimFit。膝から裾にかけてすっきりと。18センチ前後の裾幅で、これ以上細くするとテーパードになってしまうギリギリSlimFitと言える寸法。
22SSは、ふくらはぎを何とかパターンで少しだけ出してみました。よく見ると膝からふくらはぎに向かってもう一度大きくなる、通常のパンツではありえないシルエットです。
仕様はクラシックに、フロントはボタンフライ。ポケットは手の入れやすさを考えて斜め切り替えポケット。バックポケットはフラップ付の玉縁ポケット。ダーツを斜めに取ることで、分量をたくさん取れます。これにより、Slimでありながら、ヒップ周りは適度な丸みを持った穿きやすく綺麗なシルエットを作り出しています。
素材は10オンスクラスの高密度チノ。USMCKhakiはWORKERS別注品。
製品はOW済みです。

フロント、斜め切り替えポケット。「身頃続き帯」と俗に呼ばれる、別ベルトではない、身頃がそのまま上端まで続く仕様。
いわゆる「チノパン」の仕様。そこにあえて、チノではないウール・モヘアトロピカルをラインナップしています。
もっと「トラウザーズらしいトラウザーズ」はブルックスブラザーズや、オーダーのお店にお任せして、WORKERSはWORKERSらしく。ドレスな生地をあえて、カジュアルな形で作ってみました。

ほとんどデザイン、機能性は無いのですが通称「コインポケット」「ウォッチポケット」。実際、何を入れていたのかはよくわかりません。

ポケットは斜め切り替え。
脇の縫い目を利用する作りもありますが、
典型的なチノパンの仕様かつ、手が入れやすいので今回は斜めにしています。ただ、先ほどのコインポケットが入る位置がシビアです。グレーディングで30/28サイズは若干コインポケットが小さくなります。

フロントはクラシックなボタンフライ。ボタンホールの間に比翼止めステッチが入る、クラシックなトラウザーズの仕様。

一方で、小股(開きどまりのカンヌキから下)はあえてジーンズのようにダブルステッチを入れています。強度&安定してこの仕様であれば様々な工場で作れるからです。
もっと「トラウザーズらしい」縫い方もあるのですが(棒シック+小股地縫いに乗せ)、それをやると「この工場でしか縫えない」となりがちです。それでは、安定して製品を作ることは出来ないことを、最近の水害やら天災で身にしみて感じました。
「どの工場でも作りやすい、機能的で、でも現代の効率一辺倒とは違う」そんな仕様を追及しています。ビンテージと呼ばれる古い服をたくさん見るのも、単純に「どれをコピーしようか」というのではなく、その中から「これは!」という仕様を見つけ出したい。それらをまとめ上げて「WORKERSのチノパン」を作りたい。それが、Workers Officer Trousersの「コンセプト」です。(気恥ずかしいですが)

片玉縁+フラップ。単純に物が落ちないのと、穿いたときにヒップの丸みでポケットの口が開くのを防いでくれます。

後ろ中心のループは縫い目をまたいでカンヌキで止めています。

裏から見ると、先ほどのループがど真ん中にカンヌキで乗っているのがわかります。
そのうえ、ネームはARMY OFFICER'S TROUSERSからイメージをいただいて、WORKERS OFFICER TROUSERSと入れています。

今回のTYPE 1は内また・外股ともに割り仕様。この仕様だと、普段、ドレスウェアよりを作っている工場さんで作れる仕様。実際、MIL-T-2064Aというチノパンのスペックを見た時にも、脇がダブルステッチ(巻縫い)と割り、両方の仕様が載っていました。
本来、「道具としての衣類」を作るための仕様書がスペックです。道具なのだから「ドレスウェアよりの設備を持つ工場」でも「ワークウェア向きの設備を持つ工場」でも、どちらでも作れないとダメなわけです。それを、後年の我々が「これはダブルステッチだ!」とか「こっちは脇割だ!」とか、仕様の違いを楽しんだり、雰囲気の違いを感じたり。
道具としての衣類、それを作る工場の生産設備からくる制約。そういうものが結果として「デザイン」に転化しているわけです。私が、「アメリカの古い服」特に、ミリタリーやワークウェアを面白いと感じる部分はこういう、「デザインの為のデザイン」では無いところから、最終的な「デザイン」が作られているからなのだと思います。そのデザインの「理由」を考えたり、推測するのが面白いのです。
素材 10.5オンス・コットン100%・チノクロス
附属:樹脂ボタン
縫製:総綿糸
Made in JAPAN
30 ウエスト77.0㎝ 股上(前28.5cm, 後41.3cm) レングス78.0cm ワタリ幅30.0cm スソ幅17.5cm
32 ウエスト83.0㎝ 股上(前29.0cm, 後42.0cm) レングス78.0cm ワタリ幅31.0cm スソ幅18.0cm
34 ウエスト880㎝ 股上(前29.6cm, 後42.7cm) レングス78.0cm ワタリ幅32.5cm スソ幅18.5cm
36 ウエスト93.0㎝ 股上(前30.2cm, 後43.4cm) レングス78.0cm ワタリ幅34.0cm スソ幅19.0cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。