Workers K&T H MFG Co "Officer Trousers, Slim, Type 1, Yarn Dyed Twill, Grey"
おなじみ、古今様々なチノパンを混ぜて作ったWorkers Officer Trousers。 21SS はType1、脇割バージョン。
シルエットは定番のSlim(裾幅18 センチ近辺)とStandard(裾幅21 センチ近辺)の2パター ン。
定番のSlimFit。膝から裾にかけてすっきりと。18センチ前後の裾幅で、これ以上細くするとテーパードになってしまうギリギリSlimFitと言える寸法。仕様はクラシックに、フロントはボタンフライ。ポケットは手の入れやすさを考えて斜め切り替えポケット。バックポケットはフラップ付の玉縁ポケット。ダーツを斜めに取ることで、分量をたくさん取れます。これにより、Slimでありながら、ヒップ周りは適度な丸みを持った穿きやすく綺麗なシルエットを作り出しています。
素材、コットンなのにウール風に見えるYarn Dyed Twill は7 オンス弱。1月納期のSport Coatとセットアップ(スーツ)になります。9月、ちょうど私は展示会の時期にチノやジーンズがまだ暑いな、そんな時に暑くもなく、寒くもなく。
製品はノンウォッシュ・洗いなしで納品です。

フロント、斜め切り替えポケット。「身頃続き帯」と俗に呼ばれる、別ベルトではない、身頃がそのまま上端まで続く仕様。
いわゆる「チノパン」の仕様。そこにあえて、チノではないコットンでウール風に見えるYarn Dyed Twillと、ウール・モヘアトロピカルとコットンをラインナップしています。
もっと「トラウザーズらしいトラウザーズ」はブルックスブラザーズや、オーダーのお店にお任せして、WORKERSはWORKERSらしく。ドレスな生地をあえて、カジュアルな形で作ってみました。
ポケットは斜め切り替え。
脇の縫い目を利用する作りもありますが、
典型的なチノパンの仕様かつ、手が入れやすいので今回は斜めにしています。ただ、先ほどのコインポケットが入る位置がシビアです。グレーディングで30/28サイズは若干コインポケットが小さくなります。

ほとんどデザイン、機能性は無いのですが通称「コインポケット」「ウォッチポケット」。実際、何を入れていたのかはよくわかりません。

フロントはクラシックなボタンフライ。

ボタンホールの間に比翼止めステッチが入る、クラシックなトラウザーズの仕様。

一方で、小股(開きどまりのカンヌキから下)はあえてジーンズのようにダブルステッチを入れています。強度&安定してこの仕様であれば様々な工場で作れるからです。
もっと「トラウザーズらしい」縫い方もあるのですが(棒シック+小股地縫いに乗せ)、それをやると「この工場でしか縫えない」となりがちです。それでは、安定して製品を作ることは出来ないことを、最近の水害やら天災で身にしみて感じました。
「どの工場でも作りやすい、機能的で、でも現代の効率一辺倒とは違う」そんな仕様を追及しています。ビンテージと呼ばれる古い服をたくさん見るのも、単純に「どれをコピーしようか」というのではなく、その中から「これは!」という仕様を見つけ出したい。それらをまとめ上げて「WORKERSのチノパン」を作りたい。それが、Workers Officer Trousersの「コンセプト」です。(気恥ずかしいですが)

片玉縁+フラップ。単純に物が落ちないのと、穿いたときにヒップの丸みでポケットの口が開くのを防いでくれます。

後ろ中心のループは縫い目をまたいでカンヌキで止めています。

裏から見ると、先ほどのループがど真ん中にカンヌキで乗っているのがわかります。
そのうえ、ネームはARMY OFFICER'S TROUSERSからイメージをいただいて、WORKERS OFFICER TROUSERSと入れています。

コットンだけどウール風に見えるYarn Dyed Twill

こちらはウールトロピカル

今回のTYPE 1は内また・外股ともに割り仕様。この仕様だと、普段、ドレスウェアよりを作っている工場さんで作れる仕様。実際、MIL-T-2064Aというチノパンのスペックを見た時にも、脇がダブルステッチ(巻縫い)と割り、両方の仕様が載っていました。
本来、「道具としての衣類」を作るための仕様書がスペックです。道具なのだから「ドレスウェアよりの設備を持つ工場」でも「ワークウェア向きの設備を持つ工場」でも、どちらでも作れないとダメなわけです。それを、後年の我々が「これはダブルステッチだ!」とか「こっちは脇割だ!」とか、仕様の違いを楽しんだり、雰囲気の違いを感じたり。
道具としての衣類、それを作る工場の生産設備からくる制約。そういうものが結果として「デザイン」に転化しているわけです。私が、「アメリカの古い服」特に、ミリタリーやワークウェアを面白いと感じる部分はこういう、「デザインの為のデザイン」では無いところから、最終的な「デザイン」が作られているからなのだと思います。そのデザインの「理由」を考えたり、推測するのが面白いのです。
素材 7オンス・コットン100%・トップ(ワタ)染ツイル
附属 樹脂ボタン
縫製 総スパン糸
MADE IN JAPAN
30 ウエスト79.0㎝ 股上(前27.5cm, 後39.6cm) レングス80.0cm ワタリ幅31.5cm スソ幅17.5cm
32 ウエスト84.0㎝ 股上(前28.0cm, 後40.0cm) レングス80.0cm ワタリ幅32.5cm スソ幅18.0cm
34 ウエスト89.0㎝ 股上(前28.6cm, 後40.7cm) レングス80.0cm ワタリ幅34.0cm スソ幅18.5cm
Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。